2012年1月25日水曜日

「八王子の雪に放射性ヨウ素とセシウム検出」に対するこどみら測定所コメント


雪に放射性ヨウ素がとセシウムがある、という情報が回り、心配しておられる方々がおられますが、基本的に誤検出であろうと当所は考えております。先ほど、当所副代表の見解はツイートいたしました。これから、数回に分けて、私(代表)からも噛み砕いた見解をツイートいたします。

見解1…基本的に、放射性ヨウ素I131と鉛Pb214、セシウムCs134とビスマスBi214というものが、一般の市民測定所の測定器では判別が難しい時が得てしてある、ということがあります。シンチレーターでは見分けにくいのです。ゲルマなら明確です。

見解2…新宿百人町の空間線量データでは、昨晩の21時頃から若干の数値上昇が見られ、本日の夕方にはまた下がってきています。久しぶりの雨には、大気中に漂っていたラドンRn222の娘核種(崩壊核種)Pb214やBi214等が多く含まれます。http://monitoring.tokyo-eiken.go.jp/mp_shinjuku_air_data.html

見解3…久しぶりの雨には、多くの鉛Pb214やビスマスBi214が含まれます。新宿のデータから、それが伺えます。典型的なパターンです。では、Cs137はどうなのでしょうか?Cs137も「検出された」という情報が回っているようです。

見解4…Cs137については測定条件が示されていないので分かりませんが、土壌や土ぼこりには、関東近園では普通(困ったことですが)セシウムCs134,137が含まれています。雪にそれが混じっていた可能性はないでしょうか。こういった情報を出すには、測定条件・検体情報がとても大事です。

見解5…当所で測定すると、都内近辺ではセシウム134,137合算で、概ね土壌だと20〜300数十Bq/kg程は、いつも検出されています。先日、普通の路上段差の土ぼこりを測定したら、非常に高い数値が検出され驚きました。セシウム値は、土が混入していると、検出される可能性は大です。

見解(?)6…Bi214とCs134、Pb214とI131の見分けが、時に難しいということは、NaIシンチレーター(等)を使った測定所をやっていくには基本なのですが、最初の理解を得るのに時間がかかります。放射線に関する勉強は、色々学ぶべきことが多いです(ね)。

見解7…ましてや、雨が降るとラドンRn222が多く含まれていて、娘核種(壊変後核種)Pb214(半減期30分弱)とその娘核種Bi214が多く含まれる、などということはなかなか分かりません。当所は、副代表M氏がその辺非常に詳しいので助かっています。代表Iは日々勉強です。。

見解8…特に本日(昨日)は久しぶりの雨と雪なので、大気中のRn222が多く含まれていたようです。当所の本日の測定値も揺らぎが多めであった印象です。以前から、当所のM氏が「雨が降ると測定値がずれないか心配だ」と言っていたのを本日プチ体感しました。

見解(?)9…市民測定所として測定値を公開していくことは、色々な誤解や憶測、ご心配も生みうることなので、当所はデータ公開に幾分慎重です。中途半端に出すと混乱を生み、出さないと参考にならない。。測定所運営の難しいところです。読み解きの基礎情報を、頑張って出してゆきます。

見解10…他の測定所友人から、当所と同じ測定器で井戸水(Bi,Pbあり)を測り、Cs137も(誤)検出されて、一週間後の再測定(Pb,Bi消失後)で検出されなかった、と。やはり今回の雪の"Cs137"もBiの寄与による誤検出パターンかなと。(シンチでの見分けは課題多し。。)

本日の雪騒ぎは、色々学びとなりました。やはり、スペクトルの基礎についてや測定の基本について、ドキュメントやページを作り公開していくことがとても大事であると。その基本が後手後手になっていることを反省しております。

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以上、こどもみらい測定所@kodomiraInfoの2012年1月20日のツイートよりコピペでお送りしました。
ご参考になれば幸いです。
(お手伝いH)

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